高知で謄写版原紙について深く知る展示開催中

「源太の紙、世界へ」展ご案内

この度、高知県紙の博物館にて「源太の紙、世界へ」展開催をご案内いたします。明治期に和紙の技術普及に貢献した吉井源太を特集した展覧会となります。源太は28種類の和紙を開発しましたが、中でも薄葉雁皮紙を用いた「コッピー紙」が明治初期の海外で大変評価されます。

この薄葉雁皮紙はやがて「謄写版(ガリ版)」の原紙として用いられるようになり、ゲステットナー社(イギリス)が1880年に特許を取得した「サイクロスタイル」の原紙はまさにこの雁皮紙にロウ引きを施したものでありました。(堀井)謄写堂の原紙も明治32年より土佐産雁皮紙を求めるようになります。

本展では、源太が開発した海外で評価を得た紙を中心に、謄写版などの海外技術を交えながら紹介する展示となっています。

関連講演の「複写印刷技法を創った日本と西洋のわざ」として、首都圏支部神﨑が講演します。

講演では「ミメオグラフ(謄写版の英語訳)」と日本の「謄写版」を語る上で中心となる人物や原紙・鉄ヤスリなどの道具を通して版画家の目線でお話しします。

また実演では、ますます新しく鉄ヤスリ入手が難しくなる中、DIYによるヤスリ製作で解決する手法をご紹介します。これも海外の謄写版の調査が基礎となっています。

どうぞご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。

展覧会

「源太の紙、世界へ -明治期に輸出された印刷用紙-」

日程:2023年1月20日(金)〜3月21日(火)

会場:いの町 紙の博物館
(〒781-2103高知県吾川郡いの町幸町110-1 TEL.088-893-0886)

開館:9:00〜17:00

HP:https://kamihaku.com/exhibition/5303

記念講演・実演

本展を監修した研究者による記念講演と謄写印刷の実演を開催します。

講演「複写印刷技法を創った日本と西洋のわざ」

日時:2023年2月11日13:30〜
会場:いの町 紙の博物館
HP:https://kamihaku.com/info/5472

ご参加は、来場・オンライン共に要予約(上記リンクHP内参考)

  • 1、「吉井源太の日記から」村上弥生(吉井源太研究家)
    2、「ミメオとトーシャを通して考えてみる」神﨑智子(版画家・新ガリ版ネットワーク首都圏支部長)

実演

「ゲステットナーのヤスリ再現で作る謄写版」

以上

(情報:首都圏支部)