現在、開催中の企画展「志村章子のものがたり」、会場風景をご案内いたします。
志村章子さんは東京生まれ。早世の父の影響で、子供の頃から本好きでジャーナリストという職業を知ります。編集者として働きながら、フリーライターとしての活動を始め、田中正造の研究に熱中するなかで、ガリ版文化研究者への道を歩み始めます。文具の業界誌の編集長でもあり、専門分野でもありました。生涯すべての原稿は手書きで原稿用紙に鉛筆などの筆記具で書き残されています。志村さんの仕事場を想像してみてください。
次の部屋からは、志村さんがどんなふうに、誰もが取り組んだことのないガリ版の100年以上の歴史を解き明かしていったかという、希少な足取りが感じられる膨大な資料の中から、厳選して展示しています。志村さんの粘り強い追求心を感じられるコーナーです。
志村さんはプロのライターとして、理想科学工業株式会社が発行する理想の詩に、ガリ版文化を伝える連載をされていました。日本各地にとどまらず、ラオス、中国など、取材へ出かけ、様々な貴重な関係者の声の聞き取りを続けられました。志村さんの仕事への姿勢、そしてガリ版文化研究の中枢が形成される充実した時期を伝えるコーナーです。ぜひ、じっくりご覧ください。
志村さんのガリ版文化研究は、たくさんの人々の出会いをもたらしました。次の洋館の部屋では、志村さんと縁ある人々からの追悼文とみなさんの写真が展示されています。志村さんが生涯をかけて追求されたガリ版文化研究とはどんな価値があるのか、また関わった人々の声をつうじ、次の時代を問うコーナーとなっています。洋館の部屋をでたところでは、ガリ版関係の書籍を読むコーナーもあります。ぜひ、ゆっくりお過ごしください。